HEART BOILED EXECUTIVE
誰れかのハートにLOVEどっきゅん
少数派のエグゼクティブに捧ぐ
エピソード2
祖父、ノスタルジー
~懐古趣味を生業にする理由~
その昔、祖父と通った喫茶店。
煉瓦のアプローチに白い壁、
オレンジ色の屋根がわら。
カランコロンと音をたてるドアベル。
祖父は決まってアメリカンコーヒー。
幼い私はメロンソーダとホットケーキ。
レコードからは歌詞のない音楽が流れていた。
ポマードで固めたリーゼントに、三つ揃え。
大正生まれの伊達男。
飄々としつつも、どこかしら影をかかえた佇まい。
セピア色の風景。
外連味のないお人好し。
古めかしい街並みを目にすれば、
祖父に手を引かれ歩く幼い私と巡り逢う。
伝えたい昭和の日常。
幸せがあふれた何気ない瞬間。
不便が産んだ心の豊かさ。
下町レトロに人が行き交い、カランコロンと音が鳴る。
|Episode3
|Episode2