THE SENTIMENTAL

HEART BOILED EXECUTIVE


誰れかのハートにLOVEどっきゅん

少数派のエグゼクティブに捧ぐ


エピソード5

200円の価値


とある土曜日の昼下がり、

当時7歳の少年は友達と二人で商店街へと繰り出した。

今はなき小さなアーチを潜って舗装された道をゆく。

 

友達に連れられ入った店は、

初老の夫婦が切り盛りする酒屋さん。

 

酒屋といっても、今で言うコンビニエンスストアのようなお店。

子どもの目には魅力的なお菓子がズラリと並ぶ。

 

物欲しげに辺りを見ていると、

店主から思わぬ声をかけられる。

 

「これで好きなものを買いなさい。」

 

レジから差し出されたのは200円。

当時、小学2年生。500円貨幣がまだ岩倉具視だった時代。

見ず知らずの子どもに、なかなかの大金をくれた店主。

はにかみながら欲しいお菓子を店主に渡してお勘定。

 

古き良き時代の一コマ。

 

しかしなぜ、店主はわざわざお金をくれたのだろうか。

お菓子をひとつ、与えるだけで充分だったろうに。

 

見ず知らずの少年に差し伸べてくれた200円の価値。

商店街でもらった宿題。

 

今の自分にできること。

 

店主から与えてもらった優しさと思いやりを後進に伝えてゆくこと。

そして、商店街という文化を遺してゆくこと。



AUTHOR


John Doe

ジョン・ドゥ

 

ハートボイルドなエグゼクティブ。

完璧主義ではなく、完了主義。

最近、何かと物忘れがひどい。

 

たとえば、

 

降車駅で電車から降りるのを忘れたり、

車の運転中に車のカギを探し回ったり、

目の前のクライアントの名前を忘れたり…。

 

そんな自分を受け入れることで、

明るい未来が待っていると言い聞かせている今日この頃です。



 株式会社ラーベン・アンド・ニールセン

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