HEART BOILED EXECUTIVE
誰れかのハートにLOVEどっきゅん
少数派のエグゼクティブに捧ぐ
エピソード7
昭和100年
オイルショックの年に生まれた私は、
昭和、平成、令和と3つの時代を生きてきたことになる。
まだ幼かったころは、平屋の戸建てで
家族そろって白黒テレビを見ながら過ごしていた。
小学校に入学する前に、平屋の家は2階建てになり、
テレビは白黒から総天然色へとアップグレードした。
家族そろって出かけるときの必須アイテムはハーフサイズカメラで、
これを使うと通常の2倍撮れるからオトクなんだと力説された。
ゲーム&ウオッチやファミリーコンピュータが子どもたちの必須アイテムとなり、
欽ちゃん番組や音楽番組が茶の間の主役となった昭和50年代。
商店街には人があふれかえり、人々は活気に満ちあふれ、
住宅街にもスナックが乱立し、カラオケで盛り上がる背広を着た大人たち。
やがて平成へ。
人々が浮かれ騒いだバブル景気、そして商店街の衰退。
ショッピングモールが台頭し、空前のディスコブーム。
ブランド品を所有することがステイタス。
意味不明なハイテンションで盛り上がるブラウン管の中の人たち。
大規模な自然災害を皮切りに、人生の価値観が変わり始め、
当たり前の日常こそが奇跡であることを思い知らされた社会人一年目。
2000年問題、リーマンショック、消費税導入から数回にわたる増税まで、
成長曲線は鳴りを潜め、安定志向と過剰なまでの法令遵守の時代へと移り変わる。
令和を迎えて早や7年。
「近頃の若い者は・・・」と愚痴をこぼす自分に
若き日の自分が嫌った大人たちの姿を重ねながら、
いつまでも青臭く、泥臭く生きていたい自分がいる。
そんな昭和100年。